物心ついたころから、周囲の大人がお金がないお金がないという話をしていて、僕もずっとお金がないという状況の中で生きて行かなければならないという意識があり、「お金を使わなこと」って「良いこと」なんだと思っていました。 例えば、学校で体育の選択の授業があったときに、柔道は柔道着を買わなければならなかったのですが、剣道は竹刀や防具は貸して貰えて、籠手の下につける布だけを買えばよかったので、剣道の方がお金がかからないなと思い、迷わず剣道を選びましたし、お金がかからない自分は良い子だろうと思っていたからです。 これはウチの家族全体がそんな感じで、まだ小さかった頃の妹と出かけたときに、お店で何でも好きな物を買っていいよと言ったら、目を輝かせて色んな商品を見ていたものの、最終的に妹が僕に伝えてきたのは「もったいないから何も買わなくていい」ということでした。 僕はそのとき、この子は自分がお金のかからない子で