左腕から放たれた白球は、勢いよく捕手のミットに収まった。鹿児島実―北海(南北海道)の開幕試合で始球式を務めたのは、プロ野球福岡ソフトバンクホークス球団会長の王貞治さん(75)。元プロ野球選手としては史上初めて始球式を行った。 王さんは開会式で母校の早稲田実(西東京)の入場行進を見守った。その後の開幕試合で、後攻の北海の選手が守備についた後、白いシャツに帽子姿の王さんがマウンドへ。「高校野球100年」の横断幕を持った、第1回大会出場校の現役部員を背に、鹿児島実の1番打者・有村健太選手に向けて投げた。外角のストライクゾーンに決まり、観客からは大きな歓声と拍手が沸き起こった。 歓声に帽子を取って応えた王さんは「内心、自分でもドキドキしていました。試合に出ている人たちの勢いを感じたので、出ている選手たちのためにと思って投げました。思ったよりも良かった」と笑顔で語った。 プロ野球で通算868本塁打の