■ 大成功だった吉田の抜てき 0−0のまま終盤を迎えた8月1日のロンドン五輪1次リーグD組最終戦・ホンジュラス戦(コベントリー)。1位通過を目指していた関塚ジャパンは、当初の勝ち点3狙いを改め、残り5分というところでリスクを冒さず、引き分けに持っていく戦い方に転換した。セットプレーのチャンスがあっても吉田麻也、鈴木大輔の両センターバックは前線に上がらない。「無駄なリスクをかけていく必要もないかなと思ったので、ベンチの指示と自分たちの判断で決めました」と吉田は涼しい顔で言う。 しかし、スタンドの観衆は消極的な戦いに不満を感じていた。最終ラインで徹底して横パスをつなぐ日本も容赦ないブーイングを浴びせられた。鈴木は異様な雰囲気と重圧に耐えきれず、前線に大きく蹴り出してしまい、関塚隆監督らスタッフから大目玉を食らったが、ザックジャパンでレギュラーを張る吉田は決して動じなかった。 「見ている側か