アラビア海で日本関係船舶が海賊に襲撃された事件で、政府が、米海軍に拘束された海賊4人を日本に移送する方針であることが8日、関係者への取材で分かった。海賊の日本移送は初めてとなる。海上保安庁が平成21年成立の海賊対処法を初適用し、同法に基づいて4人を取り調べるなど捜査に当たる。 政府関係者によると、米側が4人の引き渡しを打診してきたため対応を協議。米側は4人を、オマーンに寄港している海上自衛隊の護衛艦に引き渡し、護衛艦が海賊対策の拠点としているジブチまで移送し、その後、日本までは海保の航空機を使う方向で調整が進んでいる。 一方、東京地検は8日夜、検事ら数人をオマーンに派遣した。担当検事が米海軍や乗組員らから事情を聴き、移送に向けた調整などを進めるとみられる。 事件は日本時間の5日夜発生。アラビア海のオマーン沖を航行していた商船三井の子会社が運航するタンカー「GUANABARA」(5万7462