科学的裏付けで自立支援も 広島大大学院は4月から、脳科学や行動科学、工学など異なる分野の研究者がチームを組み、発達障害を研究するプロジェクトを始める。 遺伝子レベルまでさかのぼって原因を究明する一方、機能改善に向けて多角的にアプローチすることで、より効果的な診断、支援体制を整えたい考えだ。(島田喜行) 発達障害は、自閉症やアスペルガー症候群などの「広汎性発達障害」、衝動的な行動などを取る「注意欠陥・多動性障害」、読み書きなど特定の学習が困難な「学習障害」の総称。脳の機能障害が原因とされている。 広島大大学院では2009年、医歯薬学総合研究科の内匠(たくみ)透教授(脳科学)が遺伝子組み替えにより、人間の自閉症に似た症状のマウスを作ることに成功。発達期に脳内で特定の神経伝達物質が減少していることを解明し、自閉症の治療や新薬の開発につながる可能性があることから、プロジェクトチームで研究を進め