献本いただいていたのだけど、海外出張から戻ってきて一気に読んだ。 ただでさえ超多忙な安宅さんが国の委員をやっていることについて、不思議に思っていたことがある。しかも、単に委員会で意見を言うだけというような消極的な参加方法ではなく、超重量級の資料を出してもいた。本書を読んで、その理由が少し分かった気がする。安宅さんは本物の愛国者で、まだ日本を諦めていない。 本書は、安宅さんが委員会で提出した資料や、僕が以前大変感銘を受けた「知性の核心は知覚にある」というダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビューの論文、関わっている「風の谷プロジェクト」やその背景にある思想などを一つにまとめたものだ。近年の安宅さんの仕事を近くで見てきた人たちにとっては、新しい内容が多くないと思われるかもしれないが、一冊の本になったことで、ここ数年の安宅さんの問題意識が鮮明に浮かび上がる。 本書は2020年代の「学問のすゝめ