“ 全てが虚構、ルパンなんて存在しなかったという話なんです 一つ思ったのはルパンというのは何者なのかということですね。これを物語とは別の柱として、つまり横軸に設定してみようと思った。ルパンって果たして何者だったのかということをルパン自身に問わせてみたい。実を言うとこの部分が実現できなかった一番の理由だったのかもしれたい。 もう一つはやっぱりルパンが何を盗むのかということで、宝石や現金だとか物質的な対象でないものを考えた。あくまで動機なんですけど、化石なんです、それも天使の化石。現実と非現実の狭問にあるようなもの。大戦中にアフリカで発掘されてナチスドイツの手に渡って、そしてイスラエルに渡り、なぜか日本に持ち込まれている。これを縦の話にしようと思った。 最終的にそれはフェイクで、イカサマなんですよ。そもそも言葉で思いついた発想が「虚構を盗ませる」ということなんです。最終的に捜し当てたものは天使