引用テキストの多いぼくの日記でカエサルの「人は自分の見たいものしか見ない」という話をしてみるよ - 愛・蔵太の気になるメモ(homines id quod volunt credunt) カエサルのそのテキストの引用をしている人は、元テキストについてどれだけのことを知っているか知らないので、丸っきり知らない人のために元テキストを紹介しておきます。 しかし、この元テキストが曲者なのです。1) この格言の(おそらくは)典拠である箇所、2) 塩野氏が紹介している格言、3) 愛・蔵太さんが元テキストとして提示されているもの。この三つが整理されないまま、ぐちゃぐちゃになっています。だから、すこしここで整理します。 まず前提から。カエサルに帰されているこの言葉が日本で有名なのは、塩野七生氏が『ローマ人の物語』の中で紹介したからです。塩野氏は次のように紹介しています。 人間ならば誰にでも、現実のすべてが