新型コロナウイルスによる相次ぐ公開延期、緊急事態宣言発令による映画館の一時閉鎖など未曾有の事態となった映画界。その中でも、もっとも気を吐いている映画監督の一人が今泉力哉だ。 2019年に『愛がなんだ』が大きなヒットを記録して以降、『アイネクライネナハトムジーク』『mellow』『his』と監督作が相次いで公開。今年も、2月には『あの頃。』、コロナ禍の影響で公開が延期していた『街の上で』の公開が4月に控えているなど高い製作ペースを維持し続けている。 CM、ドラマ脚本などその活動のフィールドを広げながらも、常に自身のインディペンデント作家としての出自を忘れることなく作品を生み出し続ける映画監督・今泉力哉は、日本の映画業界とどのように向き合っているのだろうか。自身のキャリアの特異性から日本映画を取り巻く資本の問題までたっぷりと語ってもらった。(編集部) 「『めっちゃお金をかけたい』とか思わない」