千街:実はコロナミステリは4作あるんですよね。結城真一郎『#真相をお話しします』収録の「三角奸計」と阿津川辰海「二〇二一年度入試という題の推理小説」です。その中でもコロナ禍の時代の先を描いた作品は他にないわけです。今から数年後の社会を書くというのは作家としても怖いことのはずです。不確定要素は多いわけですし。『エンドロール』はそこに挑戦したという意味でも高く評価したい。 若林:『捜査線上の夕映え』は有栖川さんがずっと書き続けている火村英生シリーズです。有栖川さんはこの連作で、現実の社会変化を採り入れて謎解きを描くという実験を続けてきましたが、今回はそれがコロナなんですよね。いかに現実のありようを損なわずに謎解きというファンタジーを書けるかという、これも実験的な作品だと思います。 杉江:後で出てくる『名探偵のいけにえ』帯に「特殊条件」という文言が書かれています。現実とは少し違う世界を扱った「特
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