近年はインドでもインフラ投資が急速に進んでいるが、まだ電気が通っていない村も多い。だから、トゥプガオン村は、まだ恵まれた状況だと言える。それでも、1日に2時間以上は停電する。電圧も安定していない。 だが、これがインドの生活インフラの実情である。全世帯の3分の2は、電気が通っていなかったり、供給が不安定なままになっていたりしている。 インドで家電製品をヒットさせるには、この貧弱なインフラを頭に入れておかなければならない。 例えば、インドの携帯電話は年間約1億台が売れる巨大市場だが、圧倒的なシェアを誇るのがフィンランドのノキア。2010年のノキアのシェアは50%を超えており、続いてサムソン電子(17%)、LG電子(6%)と韓国勢が続く。日本勢はまったく振るわず、ソニーエリクソンがかろうじて3%というシェアを持っているにすぎない。 なぜノキアなのか。その秘密は、2003年に発売したモデル、Nok
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