安倍政権が掲げる大学教育の全面無償化について、財務省は財政制度審議会で反対の意向を表明した。このままでは定員割れや赤字経営の大学に対する単なる経営支援になりかねないとし、無償化を低所得者層の子どもに限定するよう求めている。 そのうえで、大学進学率や学位保持率も国際的に見て高水準にあるとし、負担軽減は真に支援を必要とする低所得者層の子どもに絞るべきだと主張。全面無償化は高所得者層の子どもに受益が及び、格差解消につながらないとした。同時に、無償化が赤字経営の大学を支援するだけに終わらないよう制度設計すべきとも訴えている。 授業料を国がいったん肩代わりし、卒業後に本人の収入に応じて返済してもらう出世払いの仕組みは、親の所得を問わずに適用することを想定しているため、格差解消に懸念があると主張した。卒業後の年収を追跡する事務が煩雑になることから、実現の可能性にも課題があるとしている。 大学の特色ある