日本産マウスゲノムのはるかな旅路 【瀬川茂子】実験動物として、世界の医学の進歩に貢献しているマウス。それらは、江戸時代に日本でペットとして飼われていたマウスの子孫であることを、国立遺伝学研究所の城石俊彦教授らが理化学研究所との共同によるゲノム解析で突き止めた。米国の科学誌に論文を発表した。 実験で使われるマウスは、病気のなりやすさなどに違いがでないように、近親交配を20世代ほど繰り返して遺伝的な差がほとんどないように改良されている。欧州でペットとして飼育されていたマウスが米国に運ばれ、1900年初頭以降、米ハーバード大などで作られてきた。 城石教授らは、日本産マウスをもとにつくったJF1と呼ばれるマウスと、世界で広く使われ、基準になっているマウスの全ゲノムを比較した。その結果、基準マウスのゲノムの1割がJF1と一致。基準マウスはJF1と同じ祖先に由来していることがわかった。 続きを読