われわれヒト(現生人類)は今から約12万年前にアフリカからアラビア半島に渡っていたことが分かった。英国やアラブ首長国連邦など5カ国の研究者による合同調査で突き止めた。28日、米科学誌サイエンス電子版に発表する。 これまでの研究で、現生人類はアフリカで誕生し、二つのルートで勢力を広げたことが分かっている。ナイル川周辺を通ってヨーロッパへ移動した北ルートと、アラビア半島を経て東南アジアへと広がる南ルートだ。南ルートの移動がいつごろから始まったのか、これまではっきりしていなかった。 調査チームは、アラブ首長国連邦のジェベル・ファヤ遺跡を2003年から10年にかけて調べた。出土した石器の特徴や地層を分析した結果、アフリカで出現した現生人類の遺跡と似ており、約12万年前にアフリカから南ルートのアラビア半島に渡っていた、と結論づけた。 名古屋大学博物館の門脇誠二助教(先史考古学)は「南ルートの移