筋肉が衰える遺伝性の難病、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(筋ジス)の薬の効果を調べるため、英製薬企業グラクソスミスクライン(GSK)が世界で同時に行う治験に日本も参加することが29日、わかった。患者の数が少ない神経性難病に対して世界同時進行の新薬治験が行われるのは日本初。海外で標準的に使用されながらも、日本で承認が遅れる「ドラッグラグ」の解消にもつながりそうだ。 同病は筋肉に必要なタンパク質を作るジストロフィンと名付けられた遺伝子の一部が異常のため、遺伝子の読み取りがうまくできずに筋肉が徐々に失われ、歩行困難になる病気。新薬は人工的に作った核酸を投与することで、遺伝子異常部分に隣接する部分(エクソン)を読み飛ばして筋肉のタンパク質を生成させる。 オランダで2007年、同薬を歩行困難な4人の患者に投与したところ、成果があがったことが米医学誌に発表された。ベルギーを中心に12人の患者に行われた