衆議院の新しい会議録作成システムにおいて、河原達也 学術情報メディアセンター教授らの研究開発による自動音声認識技術が導入されました。約1年間の試行を経て、このたび本格的に運用されることになりました。 研究の背景とシステムの位置づけ 明治23(1890)年に我が国に議会が設立されて以来百年以上にわたり、会議録の作成は手書き速記によって行われてきました。今世紀になって衆参両院において速記者の新規採用・養成が停止され、新たな会議録作成方法が模索されました。様々な検討をふまえて、衆議院において音声認識技術を用いたシステムが採用されました。世界的にみても、国会の審議音声を直接認識するシステムは初めての事例です。 このシステムでは、原則すべての本会議・委員会の審議において、発言者のマイクから収録される音声を自動音声認識により書き起こし、会議録の草稿を生成します(図1参照)。なお、音声認識には一定の誤