東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県大槌町は8日、大震災の記録誌編集事業について、契約上の履行期間内の業務完了が事実上不可能として、事業を請け負った東北博報堂(仙台市青葉区)との契約を解除したことを明らかにした。 町は2月、3社による競争提案審査を実施し、事業の全体管理者として東北博報堂を選定。約250ページの記録誌1千部と、全戸配布する約25ページのダイジェスト版8千部の作成を1250万円で委託した。 納期の7月に内容を確認したところ、被害状況などのデータの羅列にとどまり、震災の悲惨さを伝える記録誌としての完成度は低く、いったん期限を11月末に延長。9月には一部の文章で、県が発行した別の記録誌からの無断コピーも発覚した。 作成過程で、町とやりとりするのは印刷会社の担当者で、取材先の選定や交渉、誌面構成などは町に依存しており、実質的に印刷会社への丸投げだったという。町は東北博報堂盛岡支社