軽自動車「eKワゴン」などの燃費データの改竄(かいざん)が発覚し、三菱自動車が苦境に陥っている。売れ筋だった軽自動車の4月1日~27日の販売台数は、前年同期比約4割減の約1400台にとどまるなど、深刻な客離れに見舞われているのだ。販売の現場からは「先行きが不安」と悲鳴が噴出。閑古鳥が鳴く東京都内の販売店では従業員が謝罪を繰り返すなど、お通夜のような暗いムードが漂っていた。“eKショック”に揺れる現場を歩いた。 存亡の危機に陥っている三菱自だが、販売店の現場はどうなっているのか。都内のオフィス街にある店舗を訪れた。 ガラス張りのショールームには客が1人もおらず、男性スタッフ1人、女性スタッフ2人が所在なさげにたたずむ。 連休前のお昼時。ランチタイムを楽しもうと一斉にビルから出てくるサラリーマンやOLたちのにぎわいとは対照的な光景だ。 ドアを開けると、女性スタッフがやや驚いた表情を浮かべた。客