10月のある日、秋の空気を感じながら自然観察園を歩いていると、目の前を黒色の蝶ジャコウアゲハがふわりふわりと横切りました。 葉にとまった個体を観察すると、翅や胴体に赤い斑点があり、とても鮮やかな外見です。 それにしても、間近で注視しても全く逃げる素振りがありません。 自然観察園には、ヒヨドリやシジュウカラなど蝶を食べる捕食者がいるにもかかわらず、飛び方然り、ずいぶんと気の抜けた様子です。 実は、ジャコウアゲハは体内にアリストロキア酸という猛毒をもつ毒蝶なのです。 ジャコウアゲハを食べた鳥は中毒となり、胃の内容物を吐き出し、学習して二度と食べることはないとのこと。 一見、緊張感なく飛んでいるようで、実は毒蝶であることのアピールだったのですね。 ちなみに昆虫食が趣味の知人は、ジャコウアゲハの成虫の腹部を食べたところ、激しい嘔吐、腹痛、全身に蕁麻疹、発熱などこの世のありとあらゆる苦痛を経験しまし