4月1日、東京都が先行して「排出量取引制度」を始める。日本初、世界で3番目のキャップ・アンド・トレード型だ。だが、今後の国の制度次第では、存在意義を問われかねない。 政府が動かないなら首都・東京が先に動く――。排出量取引制度導入の具体策を固められない政府を横目に、東京都が4月1日から日本初のキャップ・アンド・トレード型の排出量取引制度をスタートさせる。そこには、石原都政らしい気概がにじむ。 政府が3月12日に閣議決定した「地球温暖化対策基本法」には、排出量取引が盛り込まれたが、具体的な制度設計はまだ。温暖化ガスの総量削減を義務づけるキャップ・アンド・トレードには民主党内にも反対論があり、方向性は定まっていない。 東京都の新制度は、2005年に世界に先駆けて始まった欧州排出量取引制度「EU-ETS」や、2009年に開始した米国の北東部10州の「地球温暖化ガスイニシアチブ(RGGI)」に続く、