簡単なことは便利だが、おもしろさや愉しさとは関係ない。それこそ趣味の世界では、おもしろさは少々の不便や面倒臭いことの中にある。そんなことを教えてくれる自転車が、イギリスの小径車メーカー“アレックス・モールトン”だ。 ブランド名にもなっている創業者モールトンは、小型自動車の傑作「ミニ」のラバーコーン式サスペンションを設計した後、1962年に独創的な機構を持つ自転車メーカーを設立。彼は伝統的なダイヤモンドフレームではなく、サスペンション機構を備えた小径ホイールの新作をロンドンで行なわれたサイクルショーで発表、以来、自転車エンスー垂涎のブランドとして、現在も独創的な輝きを放っている。 ひとくちにモールトンと言っても、年式やフレーム形状、グレードによって様々な違いがある。今回、モールトンのスペシャルショップである「寺田商会」でお借りした「AM-SPEED S」はアメリカ大陸横断レース用に開発された
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