2021.3.30 桜木紫乃×オザワミカ いつか母に忘れられ、やがて子を忘れる母になる――絵本『いつかあなたをわすれても』刊行記念対談 3 月 26 日に発売された『いつかあなたをわすれても』。 昨年発売された『家族じまい』に次いで、直木賞作家・桜木紫乃さんが“娘を忘れてしまった母”を描いた、著者初となる絵本です。 絵を担当したのは、イラストレーター・オザワミカさん。 北海道在住の桜木さんと、神奈川県在住のオザワさん、編集者を介して文章と絵のラリーを続けてきたおふたりが、今回、オンラインで念願の初対面を果たしました。 (構成/村上早苗) 絵本描かない?に「文だったら書けるよ」 桜木紫乃さん(以下、桜木) この本の担当編集者から、絵本を描かないかっていう依頼が来た時、「私、絵は描けないよ」って答えたんです。そしたら、「絵じゃなくて文だ」と言うから、「文だったら何とかなるかな」って軽い気持ちで