結局、2002年に臨済宗妙心寺派(本山・京都市)が施設を引き取り、末寺として管理している。大雪に見舞われる冬の参拝客は1日20人ほど。門前に軒を連ねた土産物屋や飲食店も、大半がシャッターを下ろしたままだ。 同派から出向いている山川宗玄住職(60)は「雪で壊れた大仏殿の屋根の修理や雪かきなど維持管理で大変。廃虚になって地元に迷惑をかけないためにも頑張っているんだが……」とため息をつく。 石川県加賀市のJR加賀温泉駅を見下ろす丘の上にある金色の「加賀大観音」は、観音が抱いている赤ん坊の大きさが奈良の大仏とほぼ同じとされている。 関西を中心に不動産業やスーパー経営をしていた男性が、金沢市の宗教法人を移転させ、自ら代表役員に就任して88年に建てた。寺には美術館や博物館も併設されたが、宗教法人のため、入場料収入は非課税扱い。広大な駐車場も固定資産税を免除された。 この施設も本業のスーパー経営