第三極失速、ほくそ笑む公明=集団自衛権で強気に 安倍晋三首相が「責任野党」と協力を当てにする日本維新の会とみんなの党が相次いで失速気味となり、公明党がほくそ笑んでいる。集団的自衛権の行使容認をはじめ、公明党にとって受け入れ難い政策課題で首相の選択肢が狭まり、同党の主張が通りやすくなったとみているためだ。 「相対的に発言力は高まる。今後はわが党の主張をするだけだ」。公明党幹部は28日、みんなの渡辺喜美代表が8億円借り入れ問題で身動きが取れなくなった事態を歓迎。別の幹部は維新、みんなを「第三極はもともと取るに足らない勢力だった」と切り捨てた。 集団的自衛権に関する憲法解釈変更やその先にある憲法改正問題で、首相と公明党の溝はもともと深い。首相はこれらの政策課題でより立場の近い維新の橋下徹共同代表やみんなの渡辺代表に接近し、公明党を「政権内で埋没しかねない」といら立たせる構図が続いてきた。