概要 これまで二十数年間、聴覚障害者の現有する聴覚を活かした指導や支援について教育研究や臨床活動を行ってきました。最近、通常の学級におけるLDやADHDそれに高機能自閉症に関する文部科学省の調査にもあるように、聞こえは正常範囲にあるにもかかわらず、聴覚を活かした指導や学習が困難な子どもたちが目立っています。私たちにはそれほど気にならない音や声に異常に反応して、学習活動が成立しにくい子どもたちが、教室に少ないながらもいることが明らかになってきています。私自身も特別支援学校とかかわるようになって、聴覚障害よりも聴覚過敏のある子どもたちが低年齢を中心としてかなりの数に達していることに気づかされました。 日本では耳鳴りの研究や臨床が医学部の耳鼻咽喉科を中心として行われていますが、それに比べて聴覚過敏に関する研究や実践活動はまだ少ないのが現状です。言語聴覚士の養成においては、まだ分野としても確立され