ことばカフェの影響かどうか、ちょっとずつ自分の方言をメモしたいと思うようになっている。 「おおきに」を使うようになったのは40歳ぐらいの時で、二度ほど実家に居候していたり別の関西の田舎町で働いていたころだった。その言葉は勿論子どもの頃から語彙にはあったし周りの大人は使っていたのだが、子どもは「ありがとう」だったし特に「おおきに」を使う必要もなかった。故郷を離れてからはますます使う機会はなくなった。 その後中年になって関西の学校に戻った時、主に社会人のコースだったので同年代の友人もいたのだが「おおきに」を使う人はまずいなかったと記憶する。しかしやがて、実家に居候する羽目になって子どもの頃から世話になっていた近所や親戚のおっさんやらおばさんやらと言葉を交わす機会が増えた頃から、なぜか子どもの頃全然使っていなくてそれまでもほとんど使ったことがなかった「おおきに」が口をついて出てくるようになった。