小説『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著、斎藤 真理子訳)やドラマ「梨泰院クラス」が日本国内でもヒットするなど、韓国の若者の“生き辛さ”への関心が高まっている。その“生き辛さ”から海外就職を考える若者が増加。実は、その就職先として、近年もっとも数が多いのがこの日本だという。日本就職に成功した2名の若者に安宿緑氏が取材した現地リポートをおくる。 ※本稿は、『韓国の若者』(中公新書ラクレ)の一部を抜粋、再編成したものです。 ◆◆◆ メガバンクに入行したリュさんの場合 リュ・ヒョンジュンさん(仮名・20代・男)は、日本を代表するメガバンクの渉外課に勤務している。同行では数年前から外国人採用を始めており、韓国人の行員としてはほかに年上の女性がいる。 リュさんは中学・高校とヨーロッパのとある国で過ごし、英語で授業を行う日本の地方大学の国際関係学部に進学した。 「ヨーロッパはあれ以上いたく