シャルル・マトンのアート作品『ボックス』をドールハウスと言えるかどうか分かりませんが、ドールハウスの限界を超越した傑作。 これがインテリア誌のエル・デコに掲載されたのは、シャルル・マトン監督作品『レンブラント』(公開時のタイトルは『レンブラントへの贈り物』)公開中の2001年2月号。 映画監督、画家、彫刻家、写真家、イラストレーター、作家と多才なマトンが、なかでも現実へのアプローチを最もよく表現できるのがこの『ボックス』を通じてだという。 彼が「ハイパーアネクドート(超微細化)」と呼ぶ手法は、ある空間とその中にあるものをミニチュアにする彼の世界に欠くことのできない詳細な「再現」。 まずは実物をルーペで観るように丹念に観察することから始まっても、それを「再現」していく過程で、マトンの中で熟成、昇華し、彼の思いやイリュージョンが練り込められていく。するとそれは、現実や実物を超え、もっと鋭く、も