東日本大震災によって、河北新報社には重い課題がさまざまな形でのしかかった。「M9.0」の衝撃による取材、販売網への打撃を乗り越えて新聞を発行し続けた状況についてはさまざまに報告されているので、ここではネット部門の状況についてあらためて報告したい。(「新聞研究」2011年9月号から転載) 東日本大震災はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、ブログ、ツイッターなどのソーシャルメディアが普及して初めての大規模災害だった。多様化し、高度化したインターネットを使い、被災地の惨状をどう伝えたのか。「1対多」のマスメディア的作法とは異質な、1対1のオンライン関係を可能にするソーシャルメディアの活用は、地域に由来するメディアに今後、何をもたらそうとしているのか。 ニュースサイト、電子メールなど、先行して構築してきたサービスも含め、今後の総括・検証を待つポイントが多数あるが、4年前にスタートさせ