日本は、使えるキャッシュレス決済手段の種類が非常に豊富な国である。また、クレジットカードやデビットカード、電子マネーなど、決済に使えるカードの発行枚数も世界有数である(だから、多くの日本人の財布は、さまざまなカードでパンパンに膨れ上がっているはずだ)。 これには、海外に比べ、クレジットカードのデフォルト率が低く、発行審査も厳しくないことや、ATMが整備され、キャッシュカードが普及していること、また、とりわけ都市部では電車通勤者が多く、鉄道系電子マネーが広く保有されていることなど、さまざまな要因がある。 一方で、これらのデジタル決済手段が、いずれも現金の牙城を崩すに至っていないことも、日本の特徴といえる。 日本銀行では9月末、「キャッシュレス決済の現状」と題する調査レポートを公表させて頂いた。地域別にみたキャッシュレス決済の利用度など、興味深いデータが数多く含まれており、ご関心のある向きは、