ここのところ、日本も含め、世界のメディアを賑わしている「預言者風刺漫画問題」だが、この進行中の事件を自分なりに、暫定的に、整理してみたい。思い立った理由は、この事件が「フランスのライシテ」や「宗教と民主主義」という私が関心を抱いている問題系に引っかかってくるからである。 第一義的には、事件の進行の様子を押えられればよいと思うのだが、第二義的には、この事件に見られるような価値観の衝突(あるいはすれ違い)を解読するにはどのような視点が有効なのかを考えていきたい、という思いもある。そのための有力な手がかりが現在の私にあるわけではないけれども、一種の「非対称性」とでも言うべきものに対して何か引っかかるものを感じている。 今回まとめるに当たって特に参照したのは、Le mondeとTV5-Infoのネット上で読める記事である*1。デンマーク在住、フランス在住の日本人のブログも拝見させていただいた。あと