▼家島彦一氏のインド洋海域世界論▼ 家島彦一氏は、長年のイスラーム社会経済史の研究から、「インド洋海域世界」という総括 的な概念あるいは分析の枠組みを析出してきた。それは、まず歴史的世界としてのインド洋海 域世界を、「『中心』と『周縁』とのあいだに成立する」諸関係を本質とする、ネットワークとして 分析することにあった。インド洋海域世界の成立と、そのもとでの交易について、次のように概 括している。 「アッバース朝時代のイスラム世界は、西アジアの諸都市を『中心』として、西は大西洋岸の イベリア半島、モロッコ、地中海沿岸から、東は中央アジア、イラン、シント(インダス川の流 域)、グジャラートなどの諸地方を『周縁』とする巨大な文化・情報ネットワーク」として形成され たが、このイスラーム化の浸透を通じて「インド洋とその周縁部はイスラム世界全体を覆うネッ トワークの重要な一部として機能し、しだいに
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