勘定系システムの刷新を巡り、銀行間で明暗が分かれている。全面刷新に踏み切ったみずほ銀行などで大規模システム障害が起きた一方、アプリケーションの刷新は一部にとどめ、システム基盤の更改を進めた銀行で目立ったトラブルは起きていない。移行コストやリスクを抑えるため「勘定系システムは塩漬けでいい」という声も強まるなか、その選択肢は果たして持続可能なのか。 2021年に入り、銀行で大規模なシステム障害が2件起きた。1つがみずほ銀行だ。2月28日、定期性預金システムのトラブルがATMに波及し、4000台以上のATMが稼働を一時停止した。ATMがキャッシュカードや通帳を取り込み、店舗などで数時間待たされた顧客も出た。しかも、それから2週間あまりで立て続けに別の3件ものシステム障害を起こし、金融庁は業務改善命令を出す方向で調整している。 もう1つが静岡銀行だ。1月4日に他金融機関から同行宛ての振り込みの一部
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