熱を加えるだけで宙に浮かぶ、黒い物体。この不思議な物質は、実に空気より0.5~10倍軽いという、世界を驚かせる革新的な機能素材です。この素材を開発したのは名古屋大学大学院工学研究科の上野 智永助教。2024年には実用化を目指すベンチャー「株式会社ソラマテリアル」を立ち上げ、研究開発から社会実装まで一貫して取り組んでいます。研究者・起業家の“二刀流”で材料工学に新風を吹かせる上野助教のマルチな活動と人物像に迫ります。 空気より軽い⁉ 超軽量素材とは上野助教が開発したのは、カーボンナノチューブを水に分散させた液体を凍結乾燥して作った、発泡スチロールよりも密度の低い「超軽量素材」です。中はスポンジ状で、細かい穴が無数に開いた構造をしています。この素材を温めると、中の空気が温められて熱気球の原理と同様に軽くなり、外に追い出されることで素材の内部が周囲の空気より軽くなって宙に浮かぶ仕組みです。 熱を

