サウジアラビアなど一部アラブ諸国が、6月に断交したカタールに対し、同国の衛星テレビ局アルジャジーラを閉鎖するよう要求している。8月6日には、「暴力をあおっている」などとしてイスラエルも同局の活動を禁止する方針を示した。中東を代表する報道機関といっていいアルジャジーラは、なぜ嫌われるのか。 アルジャジーラは1996年、当時のハマド首長の肝いりで開局した。同局を世界的に有名にしたのは、2001年の米同時多発テロ後、国際テロ組織アルカーイダの指導者、ウサマ・ビンラーディン容疑者のビデオ声明を相次いで独占入手するなどの「スクープ」だ。各国のメディアがそれらを引用し、同局の地位は高まった。ビンラーディン容疑者へのインタビューに成功した数少ない報道機関のひとつでもある。 同時にアルジャジーラは、権威主義体制が支配的なアラブ各国政府への批判も展開。官製メディアばかりの中東で、「(市民の)政治意識を高める