世界の成長の中心となりつつあるアジアは、低炭素社会への移行という大きな潮流の中で新たなエネルギー投資市場を構築し、世界に向けて持続可能な開発への道筋を示すことが期待されている。アジアでは2030年までに6兆ドルを超えるエネルギー部門への投資需要が予測されており、グリーンエネルギーへ戦略的に転換することが可能な状況にある。グリーンエネルギーへの転換は、地域に環境面での便益をもたらすのみならず、経済的・政治的な保障をもたらすことにもなる。 しかし、現状のアジアはエネルギーの大半を他の地域からの輸入に頼っており、エネルギー安全保障の面で脆弱である。また、アジアは豊かな再生可能エネルギー源(アジアの全電力需要の60%に相当する潜在供給能力)と再生可能エネルギー技術に使用されるレアアース(世界のレアアース生産の98%はアジアである)の両者に恵まれているにもかかわらず、このポテンシャルを十分に活用して