“漁師が釣って 漁師が焼いた”。ストレートなコピーと赤いパッケージが印象的な明神水産の「藁焼き鰹たたき」。一本釣りのカツオを土佐伝統の藁焼き製法で仕上げたこの商品、高知県民はもとより、県外にも幅広いファンを持つ。カツオタタキ商品の草分けと言える存在だろう。 この商品デザインやコピーを手がけたのは高知県在住のグラフィックデザイナー、梅原真(59歳)である。農林漁業と地域に関する仕事しか受けない。だが、ひとたび絵筆を執れば、どのプロジェクトの成功裏に終わる――。そんな凄腕のデザイナーだ(前回参照)。 明神水産の藁焼き鰹たたきは、そんな梅原の伝説の先駆けになった商品である。1986年に売り出したところ、売上高は倍々ゲームで増加。わずか8年で20億円を超えるまでになった。一本釣り船の船主だった明神水産の快進撃。梅原のプロデュースが大きな要素を占めていた。 なぜ藁焼き鰹たたきが成功したのか。今回はそ