日本の医療は、世界一といわれます。健康寿命と乳児死亡率は世界で最も優秀な数字を誇り、死亡者数で見る限り、新型インフルエンザ対策でも優れた結果を残しました。この日本の医療を支える象徴的な仕組みが、「国民皆保険制度」と「フリーアクセス(患者が自由に医療機関を選んで受診できること)」です。今回は、そのうち「国民皆保険制度」について皆さんと考えていきたいと思います。 国民皆保険とは、原則として国民全員が何かしらの公的な医療保険に加入していることです。その最大の特徴は、「誰もが、必要なときに必要な医療を受けられる」ことです。先進国では国民の大半が公的保険でカバーされているのが一般的ですが、中には、米国のように民間保険が中心の国もあります(表1)。 公的保険の拡充を目指す米国 米国の公的保険はメディケア(高齢・障害者向け)とメディケイド(低所得者向け)だけです。民間保険は当然任意加入ですし、所得の低さ
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