今、工場における品質問題が増加しつつある。 問題の発生の根本的な原因は、1980年代に行なわれた日本の自動車産業研究にあると考えている。 アメリカの研究者は、日本の生産現場の強さの本質を良く理解していた。 資産活用という意味でなく、企業を繁栄させようとする個人のボランティアの意思を強めるプロパティ・マネジメントにあった。 組織の中の良い意味のインフォーマル組織を育てていた。 ところが、アメリカで行なわれた日本の自動車産業研究に参加した日本人研究者が、わけもなくただ単に生産現場の強さだとおだててしまった。 これに、生産志向から消費者志向に転換できなくて困惑していた技術者の大きな支持を得てしまった。 生産現場で、現場力の強さが言われるほど、本当の現場力は弱体していった。 自動車の場合でも、エンジンルームのフード(ボンネット)を開ければ、エンジンに付けられた部品や周辺の部品番号が