男女共同参画は一筋縄ではいかないが、日本の取り組みの遅れは明白-。4日都内で開かれた「日独シンポジウム ダイバーシティが創る卓越性~学術界における女性・若手研究者の進出~」の議論を聴いて、そう感じた参加者たちが多かったのではないだろうか。 このシンポジウムは、国際交流基金、ベルリン日独センター、日本学術会議が共催した。日本、ドイツの大学、研究資金配分機関、行政府で男女共同参画を推進してきた人たちから、両国の現状が詳しく紹介された。 ドイツから参加した研究者たちの発言の中で、日本側参加者たちが驚いたことが二つあったようにみえる。一つは、ドイツの大学は、学生から授業料を取らないこと。もう一つは、博士課程の大学院生は職業人とみなされ、報酬が払われているという事実だ。「経済格差が進行して大学進学は無理という人が増えている」(江原由美子〈えはら ゆみこ〉首都大学東京教授)という日本との違いは大きい。