熊本県を震源とする強い地震に見舞われた被災地では余震が続き、睡眠もままならないのではないでしょうか。避難生活では慣れない環境の中でストレスも増し、睡眠不足に陥りがちです。眠りの専門家に心構えを聞いてみました。 「被災直後の不眠症状は、身の回りに生じた危機に対処するための正常な生体反応です。あまり心配は要りません」 こう話す国立精神・神経医療研究センターの三島和夫医師は、大切なポイントとして「眠れる時に眠る」という開き直りを挙げた。 「夜中に周りと一緒に眠らなくてはならないという思い込みは、かえって不眠を悪化させる。逆に、昼間にうとうとと眠れることがある。昼でも夜でもいいので、眠れたという体験を積み重ねて下さい」 床に入って寝付けない時は「今は体が眠りを求めていない」ととらえ、自然な眠気が来るまで呼吸をゆっくり整え、静かに横になるだけでいい。眠ろうと羊を数えるのは禁物だ。 「不眠が