2012.12.26 posted by honzuki / Category: 新刊情報 / Tags: SF, マンガ, 映画・アニメ 『堕落論』で知られる文学者・坂口安吾が戦時中の男女の関係を綴った『戦争と一人の女』という作品を、漫画家の近藤ようこが描き下ろしで漫画化した。安吾の『戦争と一人の女』は、戦後のGHQによって「プロパガンダ」と思われた箇所を削除され、ズタズタになった状態で発表されてしまった作品。しかし今回、検閲による削除のない「無削除版」を元にして、膨大な資料にもとづいた時代考証を踏まえて漫画化された。 元遊女と、ほとんど仕事がないやさぐれた映画の脚本家の男。この2人が焼夷弾の降り注ぐ第二次大戦下の東京で過ごす日々が描かれた『戦争と一人の女』。当たり前の愛情を交わせない彼らが抱く屈折した感情が、近藤ようこならではの、艶かしくささくれだった筆致で描き出される。今回の記事では