異様に赤茶けた浴室、漂う石油くさい匂い、触るとピリピリしびれるようなお湯……。日本には、そんなエッジの効いた温泉が隠れている――。 日に日に寒くなってきたこの頃、お風呂で肩まで湯に浸かりたい季節がやってきた。家のお風呂やスーパー銭湯のみならず、近年のレトロブームで懐かし温泉も注目を集めている。 そんな長い年月営業している「秘湯」では、思わずぎょっとしてしまうような「月日の蓄積」が見られることがある。今回は日本各地の知られざる温泉を探訪した異色の書「侘寂温泉」シリーズ(辰巳出版)の執筆者で、写真家・文筆家の魚谷祐介氏に、全国各地にあるそんな思わず二度見してしまうような「ヤバい温泉」ベスト10を選んでもらった。