先日、日本周産期新生児学会の学術集会に行ってきました。特別講演では作家の川上未映子さんが、「健やかな妊娠、出産、育児は、どうすれば可能なのか」というタイトルで話し、私は産婦人科の宋美玄先生と一緒に最前列の真ん中で聞きました。講演では、川上さんが見知らぬ通りすがりの人から「赤ちゃんにあげているのは母乳?」と聞かれきまり悪く感じたということ、母乳神話、三歳児神話の弊害、幼い子と二人きりで追い詰められるような母親の孤独についてお話しされました。「あれ?私がどこかに書いたものを読んでくれた?」と思うほどで、宋先生も「私(宋先生)が乗り移ったようだ」と感想を言っていました。私は、そんな川上さんの話にいちいちうなづいていました。 なかでも、最近の無痛分娩の報道が不安をあおるものではないかという話が印象的でした。川上さんは、歯科治療で麻酔があるのにわざわざ無麻酔で痛みに耐える人がいないように、無痛分娩と