「(関係者の)処分は今のところ考えていない」 ウミを出し切らねばならない局面における企業トップの発言に、会場には白けた空気さえただよった。有価証券報告書の提出を2度も延期せざる得なかった東芝。その2度目の一因となった不適切な会計処理案件について、関係者の処分を問われた会長兼社長の室町正志氏は冒頭のように答えた。 東芝は9月7日、2015年3月期連結決算が378億円の最終赤字だったと発表した。売上高は6兆6559億円(前年同期比3%増)、営業利益は1704億円(同34%減)。室町氏は「未だ信頼回復には不十分。最大限の努力をしてまいりたい」と、東芝再生への意気込みを語った。だが会見で、構造改革に向けてリーダーシップを発揮していることは示せなかった。 同日、東芝は経営刷新委員会がまとめた再発防止策の骨子も発表している。予算作成プロセスをトップダウン型からボトムアップ型に変更して、社内カンパニーの