連載テキストスタートしました。1回目は、俺の恋愛話の中でもっとも危険なものをピックアップしました。 恐らく普通は一生に一度も体験しない事だと思います。とりあえず、俺は2度とこんな体験したくない。実際、この話は公開するかどうか非常に悩みましたが、 思いきって公開する事にします。公開してもし、本人達にバレたらと少し恐いのですが、まあ、もう3年もたつし、 大丈夫でしょうって事で。。
僕には好きな人が居て、その人はとても弱い人だった。 彼女はとにかく頻繁に泣いた。 「変わりたい」といっては泣き、「自分が不甲斐ない」と言ってはまた泣いた。 僕は彼女の涙に対してどうすることもできなかったし、なにかしようともしなかった。 ただ、彼女は泣いていても真剣に話をすることの出来る人だった。 だから僕も真摯に彼女に向き合って、その話に耳を傾けるようにしていた。 彼女のことを弱いと思っていたのは僕だけで、僕以外誰も彼女の涙を見たことがなかったと知ったのは随分後になってからのことだ。 少なくとも僕の知る彼女は常に自分の弱さに苦しみもがいていて、 ときどき思い出したようにうちに来ては、涙を流すのだった。 ひとしきり泣いた後、彼女は決まって凛とした顔つきになって、「よし。」というのだった。まるで新しい自分にスイッチを入れるみたいに。その瞬間の彼女の顔は今も僕の脳裏に焼き付いている。地獄の業火に
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