「うさぎ」という連載童話小説を書いていて、その内容に大いに共感を覚える。 地球環境についても慧眼で、小説の中の「灰色」とは、現代の「資本の原理・競争文明の末期的症状」を意味し、社会を風刺しつつ、人間の本当の幸せについての話を展開している。 以下はウサギの第3話である。 {灰色は力強く語りかけました。 「お前たちは、勝利者なのだ!能力の高い人間なのだ!」 「豊かな」人たちは、外国語をちりばめた演説に、熱心に聴き入っています。 「それが自然の法則というものなのだ。 適者生存の法則、自然淘汰の法則といっている。 種の保存のために、強いものだけが生き残るのだ。 そして、お前たちが、未来をになう、強いものたちなのだ!」 熱心に聴いていたお金持ちたちから、 おそろしい音の拍手が鳴り響いて、 灰色はその様子を、満足そうに見守るのでした。 しかし、この演説が、本当は大きなまやかしのもとに成り立っていること