北九州市で、不登校や引きこもりの若者らを自立させようと、着ぐるみをかぶって自己表現するユニークな活動がある。人気者の「ゆるキャラ」になりきって、コミュニケーションを図るのが狙いだ。愛くるしい着ぐるみの内側で、若者たちが前へ踏み出そうと懸命にもがいている。 「フサフサして温かい」「こっち向いてよ」。北九州市の門司港レトロ地区。3月、トロッコ列車とマスコットがリレー競走するイベントが開かれた。マスコットが現れると、子どもたちが駆け寄ってきた。 ひざをついて子どもの頭をなでたり、カメラを向けられて愛らしいポーズで応えたり。明るく振る舞うマスコットの中に入っていたのは、引きこもりの若者6人。表舞台から下がると、みんな汗だくで、緊張が解けた表情を見せた。