待ち合わせ場所に現れた佐藤勇人は とてもサッカー選手とは思えない出で立ちだった。 ところが席について話すとイメージはがらりと変わる。 最初から最後まで敬語。 コーヒーもこちらが手をつけないと飲まない。 どんな話にも真剣に答えてくれる。 年上の相手と接するときはそうするのだそうだ。 あまり年齢差がないと告げても最後まで礼儀正しい姿を崩すことはなかった。 双子の弟、佐藤寿人も礼儀正しいが勇人もまるで同じだ。 辛い思い出は多かったという。 「アニキのほう、またか」と言われているのも知っているそうだ。 そんな勇人は人間味溢れる話を聞かせてくれた。 「人生が終わった」弟は受かって自分は落ちたという心の傷 今までサッカーやってると、いろいろ辛いことはあったんですけど、その中で一番辛かったのは、小学6年生のジェフのセレクションに落ちたときですね。寿人は受かって自分はダメだったので。 自分たち2人のどちら