表面に微小な凹凸を作り出すことで、昆虫が脚をすべらせてうまく歩けなくなる素材を開発することに成功したと、物質・材料研究機構(茨城県つくば市)とドイツのマックスプランク研究所の共同チームが9日、発表した。 この技術を精密機器の通気口などに応用すれば、内部に虫が入り込んで故障するのを防ぐことができると期待される。同機構の細田奈麻絵グループリーダーは「基本的な原理はハエやゴキブリなどほかの虫でも同じ。殺虫剤を使わずに被害を防げるため生態系にも優しい」と話している。 チームは、体長数ミリのハムシと呼ばれる甲虫で実験。高さ100ナノメートル(ナノは10億分の1)ほどの出っ張りが樹脂板の表面にあると、ハムシの脚の先端に生えている細かい毛がうまくくっつかなくなって歩行できなくなるのを確かめた。 こうした場合、ハムシは脚と脚を擦り合わせる行動を見せることも判明。毛が汚れて表面にくっつきにくくなったと勘違い